個人情報を守り、正しい人へ証明する
戸籍や住民票には、家族関係・住所など生活の基礎となる情報が記録されています。必要な人が証明に使える一方で、なりすましや権限のない取得を防ぐ必要があります。そこで「来た人が誰か」と「その人がこの記録を取得できるか」を分けて確認します。
確認が三つに分かれることを知ると、窓口で別の資料を求められた理由も整理できます。免許証を見せた後に親子関係の資料を求められるのは、同じことを重ねて確認しているのではなく、別の要件を確かめている場合があります。
三つの確認と書類の役割
本人確認は、実際に請求を行っている人の氏名等を確かめる作業です。は、その人又は依頼した本人が制度上請求できる立場かを判断することです。は、請求できる本人からその手続を任されているか、の立場があるかを確認することです。
同じ一枚の書類が複数の確認に役立つこともありますが、役割を混同しません。戸籍は親子関係の資料になり得ても、それだけで目の前の人が記載された本人だとは確認できません。委任状も、持参者の顔と氏名を直接証明する本人確認書類とは別です。
| 確認 | 問い | 例 |
|---|---|---|
| 本人確認 | 請求を行うのは誰か | 運転免許証、マイナンバーカード等 |
| 請求資格 | この記録を請求できる立場か | 本人・配偶者・直系親族、、具体的な請求理由等 |
| 代理権 | 本人に代わって行えるか | 委任状や法定代理の資格を示す書類 |
戸籍と住民票で「家族」の範囲は違う
戸籍の本人等請求は、その戸籍に記載されている人のほか、配偶者・・を基本とします。住民票の本人等請求は、自己又は同一世帯の人の記録が対象です。戸籍を請求できた家族が、同じ条件で住民票も請求できるとは限りません。
兄弟姉妹は直系親族ではありません。ただし、請求対象の戸籍に自分自身が記載されている場合など、戸籍との関係で判断が変わります。「兄弟だから絶対に取得できない」「家族だから委任状は不要」という一律の案内では、必要な確認を省いてしまいます。
証明書交付と身分の届出も分ける
戸籍証明書の交付請求と、婚姻などの戸籍届出では本人確認の位置付けが異なります。婚姻等では、来庁した人が届出事件の本人かを確認し、本人の来庁を確認できなかった人へ受理後に通知する制度があります。身分証がない場合の扱いを、証明書交付と同じと決めつけません。
通常の戸籍請求とでも確認方法は同一ではありません。広域交付は請求資格のある人が窓口へ行き、顔写真付きの公的な本人確認書類を示す方式です。通常請求で使える確認方法や組合せが、そのまま利用できるわけではありません。
具体例
別世帯の父の戸籍と住民票を、子がまとめて取れますか。
父の戸籍は子自身の直系卑属としての資格を確認します。父の住民票は、別ならとしての請求にはなりません。父からの委任によるのか、として具体的な必要性があるのかを分けて準備します。二つの証明書で必要資料が変わる場合があります。
判断の分かれ目
不足しているのが何の確認かを具体化する
資料の追加を案内するときは、「本人確認が不足」「対象者との親族関係が未確認」「代理権の範囲が不明」など、どの要件が未確認かを明確にします。市区町村側で確認できる親族関係もあるため、常に同じ添付書類一式を要求するのではなく、既に確認できる情報との関係を整理します。
根拠法令
戸籍法
第10条・第10条の2
本人等請求と、それ以外の人による権利行使等のための請求を区別します。家族という呼び方だけで請求資格は決まりません。
原文を読む戸籍法
第10条の3
現に請求を行う人の特定と、依頼・法令に基づいて請求する権限の確認を分けています。
原文を読む住民基本台帳法
第12条第1項・第3項・第4項
住民票の本人等請求の範囲を自己・同一世帯とし、本人確認と代理等の権限確認を定めます。
原文を読む戸籍法
第27条の2第1項・第2項
婚姻等の届出における本人確認と、本人の来庁を確認できなかった場合の受理通知を定めます。
原文を読む関連用語
- 対象となる記録について、交付を求めることができる法律上の立場。
- 住民票上で同じ世帯に属すること。同じ住所や親族であることだけでは決まりません。
- 本人に代わって特定の手続を行う権限。