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戸籍の第三者請求

本人・配偶者・直系親族以外の人も、法律上の具体的な必要がある場合には戸籍を請求できます。請求理由の名前ではなく、何の権利・義務のために、どの記録が必要なのかが問われます。

情報の保護と、権利行使を両立させる

戸籍には、出生、婚姻、親子・養親子関係など、個人の重要な情報が含まれます。他方、相続や債権の回収などで、他人のを確認しなければ自分の権利を行使できないこともあります。戸籍法第10条の2は、本人等以外による請求を一定の場合に限定して認めています。

法務省は、2008年の制度改正に際し、従来の公開原則を改め、第三者の交付請求を制限し、本人確認を法律上のルールとしたと説明しています。必要な人が適切に利用できることと、不当な取得を防ぐことを、請求理由・本人確認・権限確認の仕組みで両立させています。

法律が定める三つの理由

一般のは、戸籍法第10条の2第1項のいずれかに当たり、それぞれの事項を明らかにする必要があります。「仕事で使う」「親族だから」「相続のため」と短く書くだけでは、要件に当たるかを判断できないことがあります。

根拠明らかにする内容考え方
第1号:権利の行使・義務の履行権利・義務の発生原因と内容、戸籍確認が必要な理由自分と手続きの関係を説明する
第2号:国・地方公共団体への提出提出する機関、提出が必要な理由提出先の名前だけでなく、何の手続きかを示す
第3号:その他の正当な理由利用目的、利用方法、必要とする事情広く自由に取得できる残余枠ではない

必要な記録まで具体化する

例えば相続であれば、誰が亡くなり、自分はどのような立場にあり、どの手続きのために、どの親族関係を確認するのかを整理します。債権に関する請求では、権利が存在することと、対象者の戸籍のどの事項を確認する必要があるかをつなげて説明します。

請求書に理由を書くことと、その理由が資料から確認できることは別です。津久見市も、理由が明らかでない場合は説明や追加資料を求めると案内しています。資料は請求内容によって変わるため、戸籍の範囲や事案を伝え、必要なを確認します。

代理請求・公用請求・職務上請求との違い

は、のある人の依頼を受けて手続きすることです。第三者請求は、請求者自身が法律上の必要性を根拠に請求することです。委任状の有無だけで、どちらの請求かが決まるのではなく、誰の資格・理由に基づくかで整理します。

国や地方公共団体の機関による請求は第10条の2第2項、一定の専門職による請求は同条第3項以下に別の規定があります。職員や専門職であるだけで、私的な興味のために取得できる制度ではありません。法令に基づく事務や受任事件との関係、利用目的などの説明が求められます。

具体例

子のいない兄が亡くなった。弟が相続のため戸籍を集めたい

弟という続柄だけでは、兄の別戸籍を本人等として請求できるとは限りません。自分が相続人になる立場で、必要な相続関係を確認する場合は、権利行使に必要な第三者請求として説明します。子がいないことだけで兄弟姉妹の相続順位が確定するわけではなく、の有無なども関係するため、必要な記録の範囲を具体的に整理します。

お金を貸した相手が亡くなり、相続人を確認したい

自己の債権を行使するために相続人の確認が必要な場合は、第10条の2第1項第1号に基づく請求が問題になります。貸付け等の権利の発生原因と内容、死亡した相手との関係、戸籍の確認が必要な理由を説明します。単に「債権回収」と書けば交付されるのではなく、資料と必要範囲を審査したうえで判断されます。

判断の分かれ目

親族調査の希望だけで、他人の記録全般が取れるわけではない

自分や直系親族の戸籍を本人等の資格で請求する場合と、そこからさらに別戸籍の傍系親族を調べる場合は別です。家系を知りたいという希望だけをもって、他人の戸籍を広く取得できる資格が当然に生まれるものではありません。対象ごとに請求資格又は正当な必要性を確認します。

行政の公用請求でも根拠法令を特定する

第10条の2第2項は、法令で定める事務の遂行に必要であることを要件とし、権限を有する職員に、官職、事務の種類、根拠法令の条項、利用目的を明らかにすることを求めています。「行政の業務に必要」という抽象的な理由だけで整理せず、どの事務のどの確認に用いるかを説明できることが実務上の基本になります。

根拠法令

戸籍法

第10条の2第1項第1号〜第3号

一般の第三者請求の三つの根拠と、それぞれで明らかにする事項を定めます。

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戸籍法

第10条の2第2項

国・地方公共団体の機関による請求について、法令上の事務、必要性、説明事項を定めます。

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戸籍法

第10条の2第3項〜第5項

一定の専門職が受任事件・事務のために行う請求と、その要件を定めます。

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戸籍法

第10条の3第1項・第2項

実際に請求する人の本人確認と、請求者以外が手続きするときの依頼・法令上の権限確認を定めます。

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民法

第889条第1項

子等の相続人がいない場合の直系尊属、兄弟姉妹の順位を定めます。第三者請求理由の説明で、自分の立場を整理する際に関係します。

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関連用語

本人等以外の人が、法定の具体的な必要性を根拠として行う戸籍の請求。
請求理由や権利・義務との関係を説明し、必要性を確かめるための資料。
請求資格のある人の依頼又は法令上の権限に基づき、その人に代わって行う請求。

出典

  1. 戸籍法(e-Gov法令検索)
  2. 民法(e-Gov法令検索)
  3. 津久見市|戸籍の請求
  4. 法務省|戸籍の窓口での「本人確認」が法律上のルールになりました

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