本籍地ごとの請求負担を減らす制度
戸籍は本籍地で管理されるため、本籍が遠方にある人や、相続で複数の市区町村の戸籍を集める人には、それぞれへの請求が負担になっていました。2024年3月に始まった広域交付は、対象の戸籍を一つの市区町村窓口で請求できるようにする仕組みです。
戸籍法第120条の2は、電算化された戸籍等について、本籍地以外の指定市町村長にも本人等が請求できる根拠を置いています。単に紙の戸籍を別の役所へ取り寄せる任意サービスではなく、国の制度に基づく情報連携を利用します。
本人等が、自分で窓口に行く
利用できるのは、請求する戸籍に記載された人、その配偶者、・に当たる人です。一定の除籍者も本人の範囲に含まれます。のある人自身が窓口に出向き、顔写真付きの公的な本人確認書類で確認を受けます。
委任を受けた代理人、郵送による請求、一般のは、広域交付の方式ではできません。これらの請求が一切できなくなったわけではなく、本籍地に対する通常の請求として整理します。
| 請求の例 | 広域交付の考え方 |
|---|---|
| 自分・配偶者・父母・子等の戸籍を本人が窓口で請求 | 対象になり得る |
| 親から委任され、親のきょうだいの戸籍を | 代理の方式では対象外 |
| 別戸籍のきょうだいの戸籍を、相続上の必要から第三者請求 | 対象外。本籍地への通常請求を検討 |
| 自分も記載されていた親の戸籍を請求 | 本人として対象になり得る。きょうだいの記録があるだけで対象外にはならない |
取れる証明書の範囲
対象になるのは、戸籍全部事項証明書や、対象となる除籍・の謄本などです。戸籍個人事項証明書や抄本、戸籍の附票は対象ではありません。コンピューター化されていない一部の戸籍等も、広域交付では取得できません。
「家族に関する書類なら何でも近くの市役所で取れる」という制度ではないため、必要な記録の種類を先に確認します。過去の戸籍をまとめて請求しても、その中に対象外の記録があれば、本籍地への請求が別に必要になる場合があります。
津久見市で請求するとき
津久見市は、本籍・・必要な人の氏名・生年月日を申請書に記載するよう案内しています。本人確認書類だけを持参すれば、戸籍の所在が分からなくても必ず一式そろう、という扱いではありません。分かる情報や手元の戸籍を整理しておくと、対象の特定に役立ちます。
他市区町村への確認や、複数の戸籍の審査に時間がかかることがあります。届出直後は内容の反映が済んでいない場合もあります。津久見市も再来庁となる場合を案内しているため、戸籍が必要な手続き当日の直前に受け取れると決めつけず、余裕を持って相談します。
具体例
父の出生から死亡までの戸籍を、津久見市でまとめて取れる?
子は父の直系卑属なので、請求者自身が窓口に行くなどの条件を満たし、対象の戸籍が広域交付に対応していれば利用できます。ただし、必要な本籍・筆頭者等の情報を用意し、古い記録の中に対象外のものがないか、受取時期はいつになるかを確認します。「まとめて請求できる」ことと「すべて即日発行される」ことは別です。
母の委任状がある。母の戸籍を広域交付で受け取れる?
代理人という立場では広域交付できません。ただし、自分が母の子であれば、自分自身にも直系卑属としての請求資格があります。母の代理として請求するのか、自分の資格で請求するのかを区別して申請します。自分の資格で請求する場合も、対象・本人確認などの広域交付の条件を満たす必要があります。
判断の分かれ目
コンビニ交付やオンライン手続きとは別制度
広域交付は窓口での本人等請求です。マイナンバーカードを使うコンビニ交付や、戸籍電子証明書を行政手続きに利用する仕組みとは、取得方法も対応範囲も異なります。カードを持っていることだけで、全方式が同じ条件になるわけではありません。
「親族関係」と「証明書の中の記載」を分ける
きょうだいが載った戸籍がすべて対象外なのではありません。自分が記載された戸籍や、直系尊属の戸籍にきょうだいの記録がある場合と、きょうだいが婚姻後にした別戸籍を請求する場合は、請求資格の根拠が異なります。受付では、対象戸籍に記載された人との関係を確認します。
根拠法令
戸籍法
第120条の2第1項第1号
電算化された戸籍等の本人等請求を、本籍地以外の指定市町村長にもできると定めます。
原文を読む戸籍法
第120条の2第2項
本籍地以外での本人等請求には、郵送・代理の通常規定を適用しないと定めます。
原文を読む戸籍法
第10条第1項・第12条の2
本人等の請求資格と、除籍謄本等に対するその準用を定めます。
原文を読む関連用語
- 本籍地以外の市区町村窓口で、一定の戸籍証明書等を本人等が請求できる仕組み。