数字より先に、何を基準にするかを読む
手続の期限は、日数だけでは決まりません。「転入した日」「出生した日」「死亡の事実を知った日」のように、期間の出発点となる事実が違います。さらに、誰が何を知った時点なのか、申請・届出のどちらをいつまでにするのかを読む必要があります。
住民基本台帳法第22条・第23条は実際の転入・転居を基準にします。死亡届は戸籍法第86条によりが死亡を知った日が基準です。相続放棄等は自己のために相続開始があったと知った時から数えます。いずれも単純に「書類を手に入れた日」へ置き換えられません。
初日不算入には例外がある
民法第138条は、法令等に特別の定めがなければ同法の期間計算によるとします。第140条は、日・週・月・年で定めた期間について原則として初日を含めず、午前0時から始まる期間は例外とします。この一般則を確認したうえで、手続固有の定めを探します。
出生届は戸籍法第43条・第49条による届出期間で、生まれた日を含めて14日以内と案内されています。住民異動の14日を数える説明を、そのまま出生届へコピーできません。二つの例を比べると、「同じ14日」という見た目だけでは締切日を決められないことが分かります。
| 例 | 数え方 | 休日による調整前の末日 |
|---|---|---|
| 4月1日に転入・転居 | 翌4月2日を1日目とする一般的な計算 | 4月15日 |
| 4月1日に国内で出生 | 4月1日を含めて数える | 4月14日 |
月数と休日は別の規定で確かめる
「3か月」は常に90日という意味ではありません。民法第143条は週・月・年を暦で計算し、応当する日とその前日、応当日がない場合の月末というルールを設けています。日数で定めた期間と月数で定めた期間を、同じ計算式で扱わないことが必要です。
末日が休日の場合も一律ではありません。地方公共団体の行政庁への申請・届出等については、地方自治法第4条の2第4項が、で定めた休日と期限の特則を置いています。法律等に別段の定めがある場合や、時で定めた期間は扱いが異なります。国の行政機関には別の休日法があり、民法第142条にも独自の条件があります。
法律上の期限と受付方法を合わせて確認する
期限の日が分かっても、窓口の受付時間、郵送・オンラインの可否、どの時点で提出した扱いになるかは別に確認します。民法が期間の末日の終了を定めていても、窓口がその時刻まで開いていることを意味しません。休日受付がある手続と、通常の開庁日に限る関連手続も分かれます。
津久見市では戸籍届書を休日等に宿直室で預かりますが、事前の内容確認を案内し、母子健康手帳など届書以外の手続は平日の来庁を求めています。これは地域の受付方法の例です。法律上の期間計算と、実際に利用できる受付経路を両方確認して準備します。
具体例
出生届も引っ越しの届出も、翌日から14日でよいですか。
同じ数え方にはできません。国内の出生届は生まれた日を含める一方、転入・転居届はの一般則による計算が基本です。出生日・実際に住み始めた日をそれぞれ特定し、その手続の公式案内と条文を確認します。
判断の分かれ目
閉庁日と法律上の休日を混同しない
ある窓口が臨時に閉まっていることと、期限計算で扱う法令・条例上の休日は必ずしも同じではありません。また、民法第142条は休日なら無条件で延ばす規定ではなく、その日に取引をしない慣習という条件があります。行政手続では、適用される休日特則とその対象を先に特定します。
根拠法令
民法
第138条・第140条・第141条・第143条
特別の定めが優先すること、初日不算入と午前0時開始の例外、末日の終了、暦による計算を定めます。
原文を読む民法
第142条
期間末日が休日に当たる場合の規定ですが、その日に取引をしない慣習がある場合という条件があります。
原文を読む地方自治法
第4条の2第4項
地方公共団体の行政庁に対する申請・届出等の期限が条例上の休日に当たる場合の特則です。対象となる期間と別段の定めの有無を確認します。
原文を読む行政機関の休日に関する法律
第2条
国の行政庁への申請・届出等の期限が行政機関の休日に当たる場合を定めます。地方自治法の休日規定と対象を区別します。
原文を読む戸籍法
第43条・第49条・第86条
戸籍の届出期間の、出生14日・国外3か月、死亡の事実を知った日から7日・国外3か月を定めます。
原文を読む関連用語
- 期間の最初の日を日数へ含めない数え方。特則や午前0時開始の例外があります。
- 期間の計算を始めること。基準となる事実の日と、日数へ算入する最初の日を区別して説明します。
- 法律が届出をする義務を課した人。手続ごとに範囲が違います。