生まれた事実を公的な記録にする
出生届は、子どもが生まれた事実、出生日時・場所、父母などを市区町村へ届け出る制度です。日本人については、その内容が戸籍のの記録につながります。戸籍は国籍や親族的身分関係を証明する仕組みであり、届書とがその記録を作る資料になります。
出生証明書は、出産に立ち会った医師・助産師等が法律の順序に従って作成します。通常は届書と一体ですが、医療機関が証明する欄と、が記載・署名する欄の役割は違います。出生証明書を受け取っただけで、市区町村への届出まで終わるわけではありません。
名前と法律上の親子関係を記録する
子の名には常用平易な文字を用いるという戸籍法の定めがあり、その範囲は法務省令で定められます。また、氏名のフリガナは戸籍の記載事項です。制度開始後に出生によって初めて戸籍に記載される子については、出生届でフリガナも届け出ます。読み方にも、文字の読み方として一般に認められていることが求められます。
父母欄は、届出人が希望する関係を自由に選ぶ欄ではありません。民法には婚姻中の懐胎・出生、離婚後の出生や再婚などに関する父の推定規定があります。血縁上の父と法律上の父の扱いに疑問がある場合、古い「離婚後300日」の説明だけで判断せず、具体的な婚姻・離婚・出生の日を整理して相談します。
届出人と、書類を運ぶ人を分ける
戸籍法第52条は、婚姻中の父母の子の出生届は父又は母、出生前に父母が離婚した場合や婚姻していない父母の子は母を基本としています。父母が届け出ることができない場合には、同居者・立会者等や人に関する規定があります。全員が同じ条件で自由に届出人を選べるわけではありません。
国内での出生は生まれた日を含め14日以内です。地や届出人の所在地のほか、出生地にも提出できます。別の家族が署名済みの届書を持参する場合も、その家族が当然に届出人になるわけではありません。記入漏れや訂正があった場合に対応できるよう、届出人と持参人を区別して準備します。
具体例
里帰り先に出生届を出せば、児童手当も始まりますか。
自動では始まりません。出生地へ届出できても、児童手当は受給者の住所地などへの申請が別に必要です。里帰り先で受理されたことと、住所地で手当の認定請求が済んだことを分けて確認します。受給者が公務員なら勤務先へ手続します。
判断の分かれ目
外国籍の子の届出と、日本人の戸籍を区別する
日本国内の出生に関する届出と、日本人として戸籍に記載されることは同一ではありません。外国籍が関係するときは、出生した国、父母の国籍、婚姻の状況を確認し、国籍・在留の手続も別に整理します。出生届を提出すれば当然に日本国籍を取得するという説明はしません。
根拠法令
戸籍法
第43条・第49条
出生届の期間と記載事項、出生証明書の添付を定めます。国内14日、国外3か月で、国内では出生日を含む数え方を確認します。
原文を読む戸籍法
第25条・第29条・第51条・第52条
提出先、届出人の署名、出生地への提出、届出人の範囲を定めます。持参人と届出人を区別する根拠です。
原文を読む戸籍法
第13条第1項第2号・第2項・第50条
氏名のフリガナの記載と読み方、子の名に用いる文字の基本を定めます。
原文を読む民法
第772条
婚姻・懐胎・出生等の事情に基づく父の推定を定めます。再婚を含む現行規定で個別の事情を確認します。
原文を読む関連用語
- 出生の事実について医師・助産師等が作成する証明。届出人の申告欄とは役割が異なります。
- 法律上、出生を届け出る立場の人。届書を運ぶ人とは異なる場合があります。
- 国外出生で複数国籍を得た場合などに、日本国籍を留保する意思を届け出ること。