戸籍と住所の記録をつなぐ
住民基本台帳法第16条は、地の市区町村が戸籍を単位として附票を作ることを定めています。第17条の記載事項には、氏名、住所、住所を定めた日、生年月日などがあります。名前に「戸籍」とありますが、記録・交付の主な根拠は戸籍法ではなく住民基本台帳法です。
住所地の市区町村が住民票を変更したとき、本籍地へ必要事項を通知し、附票の記録を整える仕組みが第19条にあります。住所地と本籍地が違っても、その人の戸籍と住所記録を結び付けるための制度です。
住所のつながりを証明する
例えば古い書類にある住所と現在の住所が違うと、同じ氏名というだけでは同一人物であることを十分に確認できない場合があります。附票に記録された住所と異動の経過が、両者をつなぐ資料になります。必要なのは単に最新の一通ではなく、確認したい古い住所が載った記録です。
| 記録 | 確認する中心 | 請求先の基本 |
|---|---|---|
| 戸籍 | 親子・婚姻などの身分関係 | 本籍地 |
| 住民票 | 現在の住所や、記録された異動 | 住所地 |
| 住民票の | 転出・死亡等で消除された住民票の記録 | その住民票を保存する市区町村 |
| 戸籍の附票 | 戸籍に対応した住所の記録 | 本籍地 |
一通で生涯の住所全部とは限らない
附票は戸籍単位なので、婚姻やなどで戸籍が変わると、必要な住所の記録が複数の附票に分かれることがあります。現在の附票に載る範囲と、以前の戸籍の附票に残る範囲を分けて探します。附票の改製でも記録が分かれることがあります。
請求するときは「住所履歴が必要」だけでなく、「平成○年ごろの○○市の住所から現在まで」など、確認したい住所・期間を伝えると、必要な記録を特定しやすくなります。新しい附票に古い住所がないことは、その住所に住んでいなかった証明ではありません。
保存期間と、証明できる範囲
住民基本台帳法施行令第34条は、戸籍のを、消除・改製の日から150年間保存すると定めています。ただし、保存期間が延長される前に適法に廃棄された記録まで復元されるわけではありません。
古い附票が発行できない場合は、どの本籍地で、どの期間の記録が残っているかを確認します。提出先が求める代替資料は手続きによって違うため、「附票がないから証明不能」と即断せず、保存する自治体の回答を踏まえて提出先に相談します。
具体例
車の登録にある20年前の住所を、現在の住所までつなぎたい
本籍地には、古い登録上の住所と現在の住所の両方を伝え、どの附票でつながるか確認します。途中に婚姻・転籍・改製があれば、現在の附票だけでは足りないことがあります。現在の附票を取ってから何度も取り直すより、証明したい始点と終点を先に説明することが大切です。
判断の分かれ目
附票の本籍・筆頭者は原則省略
附票の写しでは、本籍・の表示は原則省略されます。必要ならその旨を申し出ますが、等では必要性の確認が伴います。大分市の公式案内もこの取扱いを説明しています。請求先が津久見市の場合は津久見市の申請書で指定し、住所の証明に不要な情報まで一律に付けることは避けます。
根拠法令
住民基本台帳法
第16条・第17条
附票の作成単位と、住所・住所を定めた日などの記載事項を定めます。
原文を読む住民基本台帳法
第18条・第19条
附票をで記録し、住所地と本籍地の市区町村が通知を通じて記録を整える仕組みです。
原文を読む住民基本台帳法
第20条第1項・第3項・第5項
本人等の写しの請求、第三者の申出、本人確認・記載省略等の準用を定めます。
原文を読む住民基本台帳法施行令
第34条第1項
附票の除票等を消除又は改製の日から150年間保存すると定めます。
原文を読む関連用語
- 消除された戸籍の附票の記録。残存状況は保存する市区町村に確認する。
- 附票を作り替える前の住所記録。現在の附票と記載期間が分かれることがある。